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11月の舞台

下の写真は、船弁慶の四天王「伊勢三郎」です。
鬘:風折れ烏帽子
衣装:強天井(着付)
小道具:太刀、中啓
化粧:
    顔;おしろい(との粉含有量、多め)
    目はり;茶墨(こげ茶、きつめに)
    口;少し割る  
    眉毛;まっすぐ、きりりと、山をつける
    その他;全体的に強めに描くが、目立たない程度に抑えて描く。
         他の三人との兼ね合いも必要。

11月は、船弁慶の四天王を勤めさせていただきました。
船弁慶は、ちょうど二年前の11月に、演舞場で船子役として出た事があります。
義経とともに、様々な作品に出ている、四天王ですが、船弁慶ではやっている仕事は少ない方だと思います。ただその分気が緩みやすいといった難点があります。
またこれも、個を出すというよりは、四人で一丸となる姿勢が大事だと思います。あくまで義経の権威を象徴する存在である、といった意識を根底に置き勤めました。

技巧的なことでは、この伊勢はお杯を義経の前に持っていく役なのですが、当初杯を持つ位置を顔の辺りにしていたのですが、「神主みたいだ」とのご指摘を受け、胸より下の位置に持って行きました。ここは最も緊張する場面で、気が引き締まります。
他には、太刀の抜き方ですね。正直に言うと舞台稽古のとき私だけ太刀が抜けないという事がおきてしまいました。これはただ腕を伸ばすだけでは、長さが足りず抜けない様になっているので、体全体を駆使して抜く必要があります。舞台が終わった後、皆自分で納刀するのですが、父はそれが出来ることが信じられないといってました。腕がのびた現代人の恩恵ですかね?

宗之助や道成寺の所化など長時間座る役を勤めたことはありますが、今作が最もきつかったですね。
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中村萬太郎

Author:中村萬太郎
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